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論文

Noninvasive imaging of hollow structures and gas movement revealed the gas partial-pressure-gradient-driven long-distance gas movement in the aerenchyma along the leaf blade to submerged organs in rice

尹 永根*; 森 欣順*; 鈴井 伸郎*; 栗田 圭輔; 山口 充孝*; 三好 悠太*; 長尾 悠人*; 芦苅 基行*; 永井 啓祐*; 河地 有木*

New Phytologist, 232(5), p.1974 - 1984, 2021/12

 被引用回数:9 パーセンタイル:68.09(Plant Sciences)

イネ植物($$Oryza sativa$$)は中空の器官を持ち、これが水上の葉から水没した器官へ空気を供給する経路として機能すると推定される。しかし、イネにおけるガス移動はリアルタイムで可視化されていない。本研究では、部分的に水没したイネの葉に窒素13標識窒素([$$^{13}$$N]N$$_2$$)トレーサーガスを供給し、葉身、葉鞘、節間に沿って下方に移動するガスの動きを経時的に観察した。

論文

Non-invasive $$^{11}$$C-imaging revealed the spatiotemporal variability in the translocation of photosynthates into strawberry fruits in response to increasing daylight integrals at leaf surface

三好 悠太*; 日高 功太*; 尹 永根*; 鈴井 伸郎*; 栗田 圭輔; 河地 有木*

Frontiers in Plant Science (Internet), 12, p.688887_1 - 688887_14, 2021/07

 被引用回数:12 パーセンタイル:78.18(Plant Sciences)

本研究では、イチゴ果実への光合成産物の輸送を陽電子放出トレーサーイメージング装置(PETIS)を用いて非侵襲的に繰り返し可視化し、日照時間の増加に伴う輸送動態の時空間的な変動を評価した。本研究は、$$^{11}$$C-放射性同位体を用いて、ソース葉から個々のシンク果実への光合成産物輸送の時空間変動を、高い時空間分解能で明らかにした初めての研究である。

論文

Visualising spatio-temporal distributions of assimilated carbon translocation and release in root systems of leguminous plants

尹 永根*; 鈴井 伸郎*; 栗田 圭輔; 三好 悠太*; 海野 佑介*; 藤巻 秀*; 中村 卓司*; 信濃 卓郎*; 河地 有木*

Scientific Reports (Internet), 10, p.8446_1 - 8446_11, 2020/06

 被引用回数:11 パーセンタイル:61.96(Multidisciplinary Sciences)

根系からの放出物は根の位置によって異なり、同化炭素(C)の供給と密接に関係している。したがって、短時間での炭素の動きを定量化することで、根と土壌における炭素の代謝を明らかにできる可能性がある。$$^{11}$$CO$$_{2}$$と陽電子放出トレーサーイメージングシステムを使用し、根箱内における同化炭素の根系への移行を可視化するための非侵襲的な方法を確立した。$$^{11}$$C-光合成産物の移動と根系および土壌への放出の様子を、白ルーピンとダイズについて観察した。本手法により、根と土壌に分布する炭素配分の定量化が可能になった。これは、比較的短期間の環境条件に応じて、根-土壌系の特定の場所での炭素代謝と栄養循環の関係を解明するのに役立つ可能性がある。

論文

On-line rapid purification of [$$^{13}$$N]N$$_2$$ gas for visualization of nitrogen fixation and translocation in nodulated soybean

尹 永根*; 石井 里美*; 鈴井 伸郎*; 井倉 将人*; 栗田 圭輔; 三好 悠太*; 長澤 尚胤*; 田口 光正*; 河地 有木*

Applied Radiation and Isotopes, 151, p.7 - 12, 2019/09

 被引用回数:6 パーセンタイル:54.98(Chemistry, Inorganic & Nuclear)

マメ科作物の窒素固定を正確に解析するためには、無傷の植物体内での窒素利用を測定する必要がある。しかしながら、ほとんどのアプローチでは組織の解体が必要である。我々は、高純度かつ高収率の[$$^{13}$$N]N$$_2$$ガスを簡便かつ迅速に生成する技術を開発し、無傷のダイズ植物体内における窒素固定をリアルタイムで画像化することに成功した。減衰補正後の精製効率は約81.6%であった。

論文

A New visualization technique for the study of the accumulation of photoassimilates in wheat grains using [$$^{11}$$C]CO$$_{2}$$

松橋 信平; 藤巻 秀; 内田 博*; 石岡 典子; 久米 民和

Applied Radiation and Isotopes, 64(4), p.435 - 440, 2006/04

 被引用回数:19 パーセンタイル:77.45(Chemistry, Inorganic & Nuclear)

非侵襲でのコムギ種子への光合成産物の蓄積の可視化を、[$$^{11}$$C]CO$$_{2}$$とポジトロンイメージング装置(PETIS)を用いた計測により試みた。コムギの最大展開葉の中央部に[$$^{11}$$C]CO$$_{2}$$を供給して生産させた光合成産物が、[$$^{11}$$C]CO$$_{2}$$吸収から53分で穂に到達し、徐々に種子へ蓄積する過程の画像化に成功した。得られた画像では、種子の一粒一粒を識別することができた。画像データを用いて、各種子粒への光合成産物の蓄積について調べたところ、それぞれの種子で蓄積の経時曲線が異なることがわかった。本研究により、PETISが生きた植物内での物質の輸送や分配といった動態の計測と解析に有効な手法であることを示した。

報告書

第3回イオンビーム生物応用研究ワークショップ論文集; 2004年9月29日,高崎研究所

松橋 信平; 鈴井 伸郎; 石岡 典子

JAERI-Conf 2005-010, 79 Pages, 2005/09

JAERI-Conf-2005-010.pdf:8.08MB

TIARAのイオンビームを利用したバイオ分野の研究をより一層発展させるため、第3回イオンビーム生物応用研究ワークショップ「ポジトロンイメージングを用いた植物研究の新展開; リアルタイム画像で見る植物の機能」を平成16年9月29日、日本原子力研究所高崎研究所ベンチャー棟大会議室において開催した。本ワークショップは、植物ポジトロンイメージング技術の一層の普及,産学官の連携推進、及びポジトロンイメージングによる植物機能解析研究の今後の研究計画に資することを目的とした。イオンビームを用いた生物応用研究,ポジトロンイメージング法を用いた植物機能解析の研究、及びポジトロンイメージング計測を支える技術の研究開発などについて成果報告があり、ポジトロンイメージング研究の将来展望について討議した。

論文

TIARA研究発表会報告

荒川 和夫

放射線化学, (80), p.57 - 59, 2005/09

第14回TIARA研究発表会の開催結果について報告したもので、研究発表会の趣旨,特徴プログラム構成について紹介するとともに、特別講演(1件),特別セッション(発表3件),口頭発表10件について講演・発表内容の概要をまとめた。

論文

Quantitative modeling of photoassimilate flow in an intact plant using the Positron Emitting Tracer Imaging System (PETIS)

松橋 信平; 藤巻 秀; 河地 有木; 阪本 浩一; 石岡 典子; 久米 民和

Soil Science and Plant Nutrition, 51(3), p.417 - 423, 2005/06

 被引用回数:24 パーセンタイル:52.09(Plant Sciences)

高濃度炭酸ガス環境に対する植物の応答を明らかにすることを目的に、異なる炭酸ガス濃度下での光合成産物の移行をポジトロンイメージング装置で計測し、輸送速度と輸送中の分配について定量的解析を行った。炭酸ガス濃度を通常大気中(350ppm)及び高濃度(1000ppm)としたソラマメの本葉から$$^{11}$$CO$$_{2}$$を吸収させ、茎中での$$^{11}$$C光合成産物の移行をポジトロンイメージング計測により画像化した。得られたデータを伝達関数法を用いた数理的な手法により解析した結果、本葉の炭酸ガス濃度上昇への応答として、茎中での光合成産物の移行速度と根への分配比が高まることを明らかにした。また、光合成産物の輸送速度は、$$^{11}$$CO$$_{2}$$を吸収させた本葉から遠くなるほど大きくなることを明らかにした。

論文

Development of positron-emitting bromine nuclides production using an isotope separator

Fateh, B.; 石岡 典子; 渡辺 智; 久米 民和; 関根 俊明*

JAERI-Review 2003-033, TIARA Annual Report 2002, p.259 - 261, 2003/11

植物トレーサー実験用の臭素ポジトロン核種($$^{76}$$Br)を製造するために、天然同位体組成ターゲットと同位体分離器を用いて、安価で純度の高い製造法を開発した。本法は、$$^{nat}$$Br(p,xn)反応で得たKr同位体から$$^{76}$$Krだけを同位体分離し、$$^{76}$$Krの$$beta$$$$^{+}$$崩壊によって生成する$$^{76}$$Brを高純度で回収する必要がある。そこで、ターゲットの選択及び調製, Krガスの回収法, 同位体分離条件, 分離後の化学分離条件の検討を行い、15%の回収率で$$^{76}$$Brを得ることに成功した。

論文

ポジトロンイメージング技術でわかる植物の未知の機能

松橋 信平

Isotope News, (592), p.2 - 7, 2003/08

ポジトロンイメージング計測技術の今後の展開について解説した。原研が開発した植物研究用ポジトロンイメージング装置(PETIS)は、植物が吸収・代謝し、体内を移行するポジトロン放出核種の分布と強度をリアルタイムで計測・画像化でき、「生きた植物の中で起っている時々刻々の変化」を捕らえることを可能にした。これまでPETISを用いた計測により、炭素や窒素など主要な栄養成分,金属元素など微量成分の植物による吸収・同化,動態を明らかにしてきた。これらの成果は、植物ポジトロンイメージング計測技術が植物研究において強力な手段となりうることを示している。今後、この新しい計測手法をさらに改良し、研究を進めることで、植物の情報伝達機構など、これまで明らかにされていない機能の解明を目指す。

論文

Transfer function analysis of positron-emitting tracer imaging system (PETIS) data

Keutgen, N.; 松橋 信平; 水庭 千鶴子; 伊藤 岳人*; 藤村 卓; 石岡 典子; 渡辺 智; 関根 俊明; 内田 博*; 橋本 昭司

Applied Radiation and Isotopes, 57(2), p.225 - 233, 2002/09

 被引用回数:10 パーセンタイル:54.8(Chemistry, Inorganic & Nuclear)

植物内での物質移行の定量解析の試みとして、植物用ポジトロンイメージング装置(PETIS)での計測結果の伝達関数法による解析を行った。植物としてニラあるいはダイズを用い、葉あるいは茎の切り口から$$^{13}$$N-硝酸及び$$^{18}$$F-水溶液を投与し、得られた分布変化の画像を伝達関数法により解析し、ポジトロン放出核種の見かけの移行速度を求めた。その結果、ニラ葉中の$$^{18}$$F-水溶液の移行速度は1.2cm/min、ダイズ3小葉の中葉での$$^{18}$$F-水溶液の移行速度は10.7cm/min、$$^{13}$$N-硝酸は11.9cm/minとなり、ダイズの小葉では硝酸と水の移行速度とほぼ同じであることが明らかとなった。これらの結果は、伝達関数法によるPETIS計測データの解析が、植物中での物質移行の定量化に有効な手法であることを示しており、環境ストレス要因が植物に与える影響の評価に役立つと考えられる。

論文

Real-time [$$^{11}$$C]methionine translocation in barley in relation to mugineic acid phytosiderophore biosynthesis

Bughio, N.*; 中西 啓仁*; 清宮 正一郎*; 松橋 信平; 石岡 典子; 渡辺 智; 内田 博*; 辻 淳憲*; 長 明彦; 久米 民和; et al.

Planta, 213(5), p.708 - 715, 2001/09

 被引用回数:16 パーセンタイル:36.74(Plant Sciences)

オオムギが土壌中の鉄を獲得するために分泌するムギネ酸の前駆体であるメチオニンが、植物体のどこに起源をもつかを明らかにするために、リアルタイムでの[$$^{11}$$C]メチオニン転流をポジトロンイメージング法を中心とした計測により行なった。外部から供給した[$$^{11}$$C]メチオニンが鉄欠乏オオムギの根に保持され、ムギネ酸生合成に使われたこと、地上部から根へのメチオニンの移行が見られなかったことなどから、ムギネ酸の前駆体であるメチオニンは植物体の根に起源をもつと結論した。

論文

Vanadium uptake and an effect of vanadium treatment on $$^{18}$$F-labeled water movement in a cowpea plant by positron emitting tracer imaging system (PETIS)

古川 純*; 横田 はる美*; 田野井 慶太朗*; 上岡 志ほり*; 松橋 信平; 石岡 典子; 渡辺 智; 内田 博*; 辻 淳憲*; 伊藤 岳人*; et al.

Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 249(2), p.495 - 498, 2001/08

 被引用回数:16 パーセンタイル:73.13(Chemistry, Analytical)

ポジトロン放出核種を利用したイメージング装置であるPETIS(Positron Emitting Tracer Imaging System)を用いてササゲにおけるバナジウム(V$$^{5+}$$)吸収をリアルタイムで測定した。バナジウム-48は、日本原子力研究所高崎研究所のAVFサイクロトロンを用い、Sc箔に50MeVの$$alpha$$粒子を照射することにより製造した。$$^{48}$$Vを水耕液に添加し、PETISによりリアルタイム計測を行った。また$$^{48}$$V水溶液を添加してから3,6,20時間目の植物体を用いてバナジウム分布をラジオグラフィにより測定した。これらにより処理開始後20時間目には植物体全体にバナジウムが分布していることが明らかになった。植物に吸収されたバナジウムが及ぼす影響を見るために、同様にポジトロン放出核種であるフッ素-18で標識した水を用いてPETISによりササゲの水分吸収動態を測定した。計測前に20時時間バナジウムを吸収させると、標識水の吸収が極端に抑えられることが示された。これらの結果は植物体の地上部に移行したバナジウムが標識水の吸収を阻害する主な原因であることを示唆している。

論文

$$^{18}$$F used as tracer to study water uptake and transport imaging of a cowpea plant

中西 友子*; 田野井 慶太朗*; 横田 はる美*; Kang, D.-J.*; 石井 龍一*; 石岡 典子; 渡辺 智; 長 明彦; 関根 俊明; 松橋 信平; et al.

Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 249(2), p.503 - 507, 2001/08

マメ科の植物の中できわめて乾燥に強いと考えられるササゲ($it {Vigna unguliculata Walp.}$)を用いて水分吸収の計測を行った。ササゲは茎の下部に乾燥に耐えるための水分保持組織を発達させていると考えられている植物である。われわれは、中性子ラジオグラフィの手法を用いてこの組織が他の茎よりも水分量が多いことを確認した。またサイクロトロンによって製造された$$^{18}$$F標識水を用いてPETIS法によりササゲの水分吸収動態を測定した。インゲンマメとササゲで水分吸収を比較すると、乾燥処理でもササゲのほうが高い水分吸収活性を維持していることが示され、より乾燥に強い性質を有していることが示唆された。

論文

ポジトロン放出核種を用いた植物の生体機能解明

茅野 充男*; 久米 民和

日本原子力学会誌, 41(10), p.35 - 36, 1999/10

原研-大学プロジェクト共同研究に関する特集記事として、植物用ポジトロンイメージング装置(PETIS)を用いた研究の現状を紹介した。ポジトロン放出核種は消滅時に透過力の高い一対の$$gamma$$線を反対方向に放出するため、生体外から非破壊で計測可能である。本プロジェクト共同研究では、植物の計測に適した装置として開発したPETISを用いて、$$^{11}$$C化合物や$$^{13}$$N化合物の植物体内における移行や代謝に関する計測を行い、植物の栄養特性や環境応答など複雑な機能解明への応用を世界に先駆けて進めている。本研究には5つの大学グループが参加しており、$$^{13}$$NO$$_{3}$$$$^{-}$$などを用いた窒素動態の研究、$$^{18}$$F-水を用いた耐乾性植物の貯水組織の研究、$$^{11}$$C-メチオニンを用いたアミノ酸の動態に関する研究などが進められている。とくに、$$^{11}$$C-メチオニンを用いた計測では、世界で初めてアミノ酸転流のリアルタイムでの可視化に成功するなどの成果が得られている。

論文

ポジトロンイメージング装置(PETIS)の植物研究への応用

久米 民和

Radioisotopes, 48(1), p.37 - 47, 1999/00

ポジトロンイメージング装置(PETIS)を用いた植物研究について解説した。植物用に開発したPETISの概要、TIARA AVFサイクロトロンによるポジトロン放出核種及びその標識化合物の合成法について述べた。現在、$$^{11}$$CO$$_{2}$$ガス、$$^{11}$$C-メチオニン、$$^{13}$$NO$$_{3-}$$$$^{18}$$F-水、$$^{18}$$F-グルコース、$$^{48}$$Vなどを製造している。これらの核種を用いた植物研究として、$$^{11}$$CO$$_{2}$$を用いた光合成産物の移行、鉄欠乏オオムギにおける$$^{11}$$C-メチオニンの挙動、耐乾植物における水の動態、$$^{13}$$NO$$_{3-}$$を用いた窒素の動態、$$^{48}$$Vを用いた植物の重金属障害などの成果を紹介した。

論文

植物のポジトロンイメージング; PETISを用いた植物研究の現状

久米 民和

放射線と産業, (80), p.4 - 5, 1998/00

前号での特集「6年目を迎えたTIARA」において、TIARAを用いた各分野の研究が紹介され、ポジトロン放出核種の植物機能研究への応用について述べた。今回は、この中から植物のポジトロンイメージングが選ばれ、詳細な研究内容が特集として紹介されることとなった。本特集号では、PETISの概要、標識化合物の製造、植物の応用として原研-大学プロジェクト共同研究で行われている3つの核種($$^{11}$$C,$$^{13}$$N,$$^{18}$$F)の例の5題が取り上げられている。本報告は、その前置きとしてPETISを用いた研究の現状を紹介した。

論文

Positron emitting tracer in plants

久米 民和; 藤村 卓; 石岡 典子; 内田 博*; 辻 淳憲*

Nature, 389(6649), 1 Pages, 1997/09

浜松ホトニクス(株)が有しているNatureの広告ページに、ポジトロン放出核種を用いた植物体内における水、光合成産物、窒素化合物などの物質の動的イメージ計測法を紹介する。植物用のPositron Emitting Tracer Imaging Systemを開発し、植物の生体機能研究への応用を検討している。核医学分野で既に実用的に用いられているPETに比べ、本装置は空間分解能が2.5mm以下と高く、低濃度のトレーサーでのS/N比の良いイメージを得ることが可能などの特徴を有している。本手法を用いて、根から吸収された水や硝酸、葉で合成された光合成産物等の植物体内での挙動についての検討を行っている。切りバラに$$^{18}$$F-水を投与して、節部における移行を調べた結果、投与直後に葉への移行が観察され、その後ゆっくりと茎上部へ移行することが観察された。このように、本計測システムを用いることにより、植物の節部での溶質分配などの計測が可能である。

口頭

ポジトロンイメージング技術を用いたシロイヌナズナのソース・シンク能力の可視化

藤巻 秀; 小柳 淳*; 河地 有木; 鈴井 伸郎; 尹 永根; 石井 里美; 島田 浩章*

no journal, , 

Positron-emitting tracer imaging system (PETIS)と$$^{11}$$CO$$_{2}$$を用いて、シロイヌナズナの幼少個体における光合成関連能力の定量的解析を行う系を開発した。固形培地プレートに一枚あたり9個体のシロイヌナズナを16日間あるいは20日間栽培したものを、専用に設計した照明付き気密キャビネット内に置き、約40MBqの$$^{11}$$CO$$_{2}$$を含む通常空気を導入した。10分間の投与の後、ガスを追い出し、取り出したプレートを人工気象器内に設置されたPETISにより計測して、植物体における$$^{11}$$Cの分布の変化を1時間にわたり追跡して画像化した。動画像データの解析の結果、各個体のソース器官における炭素固定量とシンク器官への転流率を算出することに成功した。さらに、動画像データの画素毎に$$^{11}$$Cの増減を定量することにより、ソース能とシンク能の植物体内における分布を「機能画像」として表せることも示した。この新しい手法は、特定の遺伝的改変や薬剤処理等が炭素固定と光合成産物の分配に及ぼす影響を定量的に解析するのに有効なものであると考えられる。

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